Strategy
RUA サービスの意味を明確にし、「受信 -> 解析 -> 集計/可視化」の安全なパイプラインを最優先に設計する.特にプライバシーと悪用耐性を先に固める
Key points
- RUA は DMARC の集計レポート送信先を示すタグ(mailto URI)
- RUA サービスはレポートメールの受信・XML 解析・集計・可視化を担う(自社運用 or 外部委託)
- 主要リスクは DNS ではなく、データ取り扱い・マルチテナント隔離・悪用(過大/圧縮爆弾/洪水)
Definition-level clarity
- DMARC の rua= は aggregate data の送信先(URI のリスト).未指定なら集計レポートは送られない
- 集計レポートは XML(RFC 7489 Appendix C)で、送信元IP・認証結果・alignment などを要約
- ruf= は失敗/フォレンジックで、個別メッセージ情報を含み得るためプライバシー面で慎重対応が必要
Prioritized checklist
P0 = 信頼性の最低ライン / P1 = 実運用の防衛力 / P2 = 仕上げ
P0 - まずトラブルを起こさない
- ドメイン所有の検証(例: _dmarc4all-verify.<domain> の TXT)を完了するまでレポートを表示しない
- 受信の堅牢化: メール/添付サイズ上限、解凍サイズ上限、ネスト深度制限、タイムアウトで zip 爆弾を遮断
- XML 解析は XXE 無効化・DTD拒否、スキーマ/整合性検証で異常を早期破棄
- 保管と保持を明文化(生 XML は短期 or 非保存、IP は要配慮情報として扱う)
P1 - 実運用で耐える
- データ最小化モード: 標準/匿名化(IPv4 /24, IPv6 /48)/集計のみを選択可能にする
- マルチテナント隔離とアクセス制御(行レベル分離、暗号化、監査ログ)
- レート制限/洪水検知/自動抑制(DMARC 報告の悪用対策は RFC 9091 の意図に沿う)
- UI で「受信者が報告した観測値」であることを明示し、SPF/DKIM/alignment を分けて表示
P2 - 体験と差別化
- コピー用 DMARC 断片(例: p=none; rua=mailto:...; fo=1; adkim=s; aspf=s; pct=100)と段階移行ガイド
- JSON/CSV エクスポートとメタ情報(受信組織/期間/解析時刻/バージョン)
- 任意の真正性ヒント(受信レポートの DKIM/SPF や既知レポーターのラベル付け)
RUA とは
RUA は DMARC の集計レポート(Aggregate Report)の送信先です.受信側(Gmail / Microsoft / 各社 ISP など)から、通常 1 日 1 回程度、認証結果の集計が XML で届きます
重要: これは「メール本文」ではなく集計メタデータです.ただし、運用上は十分センシティブになり得ます
参考: DMARC には ruf=(フォレンジック/失敗レポート)もありますが、個別メッセージに関する情報を含み得るため、プライバシー/コンプライアンス上は慎重な扱いが必要です.当サービスは rua=(集計)に限定して扱います
RUA の設定(顧客側)
DMARC レコードの rua= に、当サービスで発行される RUA 受信先(mailto:)を設定します既存の DMARC 設定(p= / sp= / adkim= / aspf= など)は維持したまま、rua= だけを追加(または更新)してください
- 1) あなたのドメインの DMARC レコード(通常 _dmarc)を編集します
- 2) rua=mailto:{RUA_EMAIL} を追加(または更新)します(すでに rua= がある場合は mailto を追記できます)
- 3) 一部の受信者は、外部宛て RUA を許可するための承認 DNS を要求します(RFC 7489 §7.1: Verifying External Destinations).その場合でも、当サービスが当社ドメイン側で必要な TXT を自動発行します.あなたの DNS に追加作業は不要です
4) DNS 反映後、通常 24〜48 時間以内にレポートが届き始めます(受信者側のスケジュールにより前後します)
注意: すでに DMARC レコードがある場合は、他の設定は維持したまま rua= だけを追加してください(複数の mailto を並べることも可能です)
RUA に含まれる情報(代表例)
- 対象ドメイン(レポート対象)
- 送信元 IP と、その IP からの配信通数(count)
- SPF / DKIM / DMARC の評価結果(pass/fail など)
- From ドメインの整合(alignment)結果
- レポート期間(begin/end)とレポーティング組織情報(reporter 名など)
最大のリスク(重要)
RUA は本文を含みませんが、送信インフラ(送信元IP・通数・送信サービスの利用状況)を推測できる材料が含まれます.漏洩すると、攻撃者が送信経路を学習し、標的選定やフィッシング/なりすましの精度向上に悪用される可能性があります
つまり「本文がない=安全」ではなく、組織のメール運用の地図になり得る、というのが最大のリスクです
このリスクを最小限にするため、当社は データ最小化(原本XMLの非保存)、最小権限のアクセス制御、自動処理、必要最小限の非可逆集計のみ、および 停止時の削除・流入停止 を徹底します
データの扱い(非保存・自動処理)
- RUA レポート(XML)は保存しません(永続化なし)
- 個別レポートを人が閲覧する運用は想定しません(自動処理)
- 表示・改善提案に必要な最小限の「非可逆な集計」のみを生成し、元データは破棄します
- 停止時は(もし保存データがあれば)削除し、以後の流入も止めます
※「非可逆な集計」とは、特定の 1 件のレポート内容に戻せない形(例: 日次の合計カウント)を指します.運用上これすら不要な場合は“集計も保持しない”設計にします
プライバシー / GDPR(要約)
利用者が把握すべき要点と、EU 一般データ保護規則(GDPR)に沿った当社の方針を要約しています(法的助言ではありません)
利用者が把握すべきこと(重要)
- 権限と適法性: 管理するドメイン、または明示的に許可を得た範囲でのみ利用してください(RUA 受領先の設定は管理上の行為です)
- 個人データ該当の可能性: 送信元 IP や(場合により)連絡先メールアドレス等が含まれ、状況によって個人データに該当し得ます.社内ポリシーに従い、必要に応じて法的根拠(正当な利益等)を整理してください
- 機密扱い: 本文はありませんが、運用状況を推測できる情報です.社内の機密情報として扱うことを推奨します
- 停止/削除: 停止後は流入を止め、当社側の関連データは原則削除します.DNS 側の停止も必ず実施してください(後述)
当社が適切に対応する点(要点)
- データ最小化: RUA XML 原本は保存せず、必要最小限の非可逆集計のみを扱います
- 目的外利用なし: 広告/マーケティングに利用しません(RUA のデータにはこれらの目的に利用できる情報は含まれません.加えて、設計上、個別レポートを保存しないため、その目的に利用できるデータを保持しません)
- 安全管理措置: アクセス制御、最小権限、暗号化等の安全管理措置により機密性・完全性の確保に努めます
- 委託管理: 外部委託がある場合は GDPR に沿った契約(DPA 等)と管理を行います
- 削除と協力: 停止/削除やデータ主体の権利行使は、管理者(顧客)からの要請に協力します
役割(Controller / Processor)
- 顧客(あなた/あなたの組織): 通常、RUA の受領・分析の目的と手段を決めるため、GDPR 上の 管理者(Controller) になります
- 当サービス提供者: 顧客の指示に従って受領・解析するため、通常 処理者(Processor) として行動します(DPA/契約で明確化)
取り扱う可能性があるデータ(代表例)
- 対象ドメイン、レポート期間、認証結果(SPF/DKIM/DMARC の pass/fail など)
- 送信元 IP アドレスと通数(集計)
- レポーティング組織情報(組織名、場合により連絡用メールアドレス等)
注意: IP アドレスや連絡先メールアドレス等は、状況によって個人データ(personal data)に該当し得ます
処理目的
- なりすまし/誤認証の兆候把握、送信経路の健全性確認(セキュリティ運用)
- SPF/DKIM/DMARC の設定改善提案、段階的適用の検証
- (必要最小限)サービス提供の維持・不正利用防止(レート制御、障害対応)
法的根拠(一般的な例)
- 管理者(顧客)側: 通常は正当な利益(GDPR 6(1)(f): セキュリティ確保)または契約の履行(6(1)(b))等が想定されます
- 処理者(当サービス)側: 顧客との契約(DPA)に基づき、顧客の文書化された指示に従って処理します(GDPR 28)
用途・社内方針により変わるため、正式なプライバシー通知では顧客側での根拠も整理してください
保持期間と削除
- RUA XML(原本): 保存しません(受領後の処理で破棄)
- 非可逆な集計: 表示/改善提案に必要な範囲に限定し、継続がない場合は 30日(トライアル終了)を上限として削除します(設計目標)
- 停止後: 原則として関連データを削除し、以後の流入を止めます(上記の停止設計)
第三者提供 / 委託(Sub-processors)
当サービスがホスティング、ストレージ、監視等を外部事業者に委託する場合、それらは GDPR 上のサブプロセッサ(Sub-processor)になり得ます.正式運用では、委託先一覧(事業者名/国/目的)を提示し、必要に応じて契約条項(DPA、SCC 等)を整備します
第三国移転(EEA 外への移転)
EEA 外に移転される可能性がある構成の場合、適用法に従い、標準契約条項(SCC)等の適切な保護措置を講じます
データ主体の権利(請求窓口)
- アクセス、訂正、消去、処理制限、異議申立て、データポータビリティ等(該当する範囲で)
- 通常、請求はまず 管理者(顧客) が窓口になります.当サービスは処理者として、管理者の要請に協力します
連絡先
プライバシー/データ処理に関する問い合わせ: privacy@toppymicros.com
事業者名: ToppyMicroServices OÜ(ドメイン: toppymicros.com)
苦情申立て
EU/EEA 居住者は、居住地または関連する監督機関(SA)に苦情を申し立てる権利があります
トライアルと停止(要点)
- トライアル開始日: RUA 受信(有効化)が初めて成功した日
- トライアル終了日: 開始日から 30 日後(ローカル表示は残日数で提示)
- 継続操作: ワンクリックの明示 opt-in(例: “Keep enabled”)
- デフォルト停止: 30 日で自動停止(opt-in が無ければ継続しない)
- 停止時のデータ: 原則削除(必要なら匿名の稼働メトリクスのみ)
停止後の RUA 受信を止める方法
推奨順は次の通りです
-
A(推奨): 外部 RUA 許可 DNS を無効化して送信者側に止めさせる(送信元が“送れない”状態にする)
例: RUA 送信先の許可に使っている TXT / CNAME を無効化し、送信が成立しない状態にする
-
B: 受信は受けるが破棄(コスト増、最終手段)
到達したレポートを即時破棄する.停止保証は強いが、ネットワーク/処理コストが増える
UI(ダッシュボード上部に固定表示)
- 残日数表示: 「あと◯日」
- 継続ボタン: “Keep enabled”
- 即時停止ボタン: “Stop now”
- 状態は常にファーストビューで確認でき、スクロールしても見える位置に固定表示します